本日は、中華の味付けでよく使う「オイスターソース」を3種類集め、
味、テクスチャーについて比較しましたので、その結果をお届けします。
メーカーによって風味や粘度がこんなに違うものかと驚きました。
オイスターソースの購入時や料理に使う時の参考にしていただければと思います。
“糀の発酵調味料”と”せいろ”で美味しいとヘルシーを両立
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オンライン美・中華料理教室Éclat Shifu 主宰の三村 佳代です。
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オイスターソース3種類の比較
オイスターソースとは?
オイスターソースとは、牡蠣エキスや砂糖、
油などをあわせてつくった調味料で、
コクのある深い旨味があり、
広東料理をはじめとする中華料理に広く用いられています。
中国語では「蠔油」【háoyóu】ハォヨゥといいます。
この比較をしようと思ったキッカケ
食の仕事を1年前に始めてから、
小麦アレルギーや魚介類のアレルギーの方が
多くいらっしゃることを知りました。
中華の味付けに使う「オイスターソース」は、
その名の通り「牡蠣」を使っており、
魚介類のアレルギーをお持ちの方はきっと
オイスターソースを使った料理を
これまで避けられてきたと思います。
そして、最近ベジタリアンの方向けの、
牡蠣を使っていない「オイスター風ソース」の存在を知りました。
これを使えば、これまで避けざるを得なかった中華料理を
美味しく食べることができるのではないかと思い、
その味やテクスチャーなどを比較してみようと思ったのがきっかけです。
オイスターソース3種ご紹介
右からご紹介します。
①エスビー/李錦記オイスターソース
1888年に世界で初めてオイスターソースを生み出したメーカーです。
創業当時から伝わる秘伝の製法で作られています。
②ヒカリ/オイスターソース
国産のオイスターソース。
化学調味料を使わず、国産原料にこだわって仕上げられています。
③味榮/ベジタリアンオイスター風ソース(素蠔油)
牡蠣を使わない、ベジタリアン仕様のオイスターソースです。
原材料・プロフィール
賞味期限は、開封前のものです。
どのように味やテクスチャーが違うのか比較が楽しみですね。
原産国 | 原材料 | 容量 | 賞味期限 | |
①李錦記 | 中国 | カキエキス、砂糖、食塩、小麦粉/調味料(アミノ酸)、増粘剤(加工デンプン)、カラメル色素(一部に小麦を含む) | 255g | 3年 |
②ヒカリ | 日本 | カキエキス(カキ(広島県)、食塩)、砂糖、醤油(大豆、小麦を含む)。食塩、みりん、有機馬鈴薯デンプン、魚醤(いかを含む)、有機レモン | 115g | 1年6ヶ月 |
③素蠔油 | 台湾 | 有機砂糖、有機小麦、有機大豆、食塩、有機米、有機マッシュルーム、リコリス | 155g | 3年 |
色・粘度・香り
では早速、見てみましょう。
上記の成分を見てしまうと、先入観で味がわからなくなると思ったので、
成分を見ずに、視覚、臭覚、味覚だけに頼って判断しました。
あくまで私の個人的な感じ方なので、
人によって感じ方が異なるという点を踏まえてご覧ください。
お皿に出してみると、オイスターソースの粘度がバラバラで驚きました。
①李錦記は、私が普段使用しているものです。
粘度が高く、色も濃いです。増粘剤とカラメル色素のおかげかなと思います。
牡蠣の香りもしっかりしていました。
②ヒカリは、粘度がなく、水のようにさらさらしていました。
特徴的なのはその香り。
目をつぶると目の前に殻に入った牡蠣があるのでは
と思うくらい磯の香りがしました。
③素蠔油は、牡蠣を使っていないだけに色は薄いです。
粘度は①と②の間ですが、どちらかというとサラサラです。
味(甘味・塩味・旨味)
次に、気になる味です。
こちらも三者三様という感じです。
総合的には、①李錦記が一番バランスがよかったです。
少量でもコクを与えられると思いました。
普段からこの味に慣れているというのもあると思います。
②ヒカリは、最も牡蠣に近い味。
甘味や旨味よりも塩味が強かったです。
③素蠔油は、甘味が一番強いですね。
原材料は有機砂糖が先頭に来ているのでその通りの味。
牡蠣を使っていないのに、このうま味が出るのはスゴイですが、
少しパンチに欠ける感じは否めません。
料理にするとどうなるか?~青椒肉絲で2種を比較~
①李錦記と③素蠔油で青椒肉絲を作ってみました。
他の調味料の量は全く同じ。オイスターソースだけ変えました。
①李錦記は、白ごはんが進むしっかりとした味。
また、粘度もしっかりあるので、具材によく絡まります。
少量でも味もしっかりつくので、料理にはとても使いやすいと思います。
③素蠔油は、①李錦記に比べるとパンチが弱く味は丸みのある感じ。
粘度がない分、最後に水溶き片栗粉で強めにとろみ付けしました。
白ごはんがなくても美味しく食べられる
ヘルシー志向の方にはピッタリな青椒肉絲になりました。
①李錦記を使った青椒肉絲に近づけるには、
醤油糀や塩糀を使って塩味と旨味を足すといい感じになるのではと思いました。
さいごに
うまみやコクを足してくれるオイスターソース。
ひと口にオイスターソースといっても、
こんなに味の方向性やテクスチャーが違うことに驚き、
改めて使う調味料によって味が変わることを実感しました。
最後にものをいうのは自身の好みの味に近づける「調整力」ですね。
料理は追及しても終わりがない、
終わりがないからやはり楽しい。
これからも、色々な目線で中華料理に関することを
お届けしていきますので、引き続き楽しみにしていてくださいね。
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