点心教室 – 点心教室の先生が解説!これを知れば自由自在!仕上がりをデザインする【粉と水の扱い方】

点心作り粉と水の扱い方 オンライン美中華料理教室エクラシーフお悩み解決

点心作りは、
小麦粉はもちろん、
それ以外の粉も使いますし、
水の温度も様々です。

「何度にしたらいいのですか?」
とよく聞かれます。

本日ご紹介することを頭に入れておくと、
粉や水の温度の選択ができるようになり、
仕上がりを自由自在に
デザインすることができますよ。

点心作りのコツ、保存版です。

点心教室 – 点心教室の先生が解説!これを知れば自由自在!仕上がりをデザインする【粉と水の扱い方】

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“糀の発酵調味料”と”せいろ”で
美味しいとヘルシーを両立

ギルトフリーな中華料理で食べながら
キレイにを叶えたい女性に

オンライン美・中華料理教室Éclat Shifu
主宰の三村 佳代です。

この記事は、こんな方におすすめです。

✓点心作りの水の温度がいつもわからない
✓自分の好きな点心がどの粉で作られているのか知りたい
✓点心を自分の好みの食感に仕上げたい
✓レシピ通りにしか点心を作ったことがない
✓粉と水の扱い方をマスターしたい

粉の扱い方

粉とひと口にいっても、
小麦粉は、薄力粉、中力粉、強力粉、
米粉は、白玉粉、団子粉、上新粉など
種類がたくさんありますよね。

点心をお見せしながら、
私がどの粉をベースで使っているのか
ご紹介したいと思います。

小麦粉

水餃子、焼き餃子の無発酵生地

水餃子はコシのある生地にしたいので、
強力粉と中力粉を半々、
もしくは、強力粉多めに配合しています。

焼き餃子は柔らかさのある生地です。
薄力粉多めで強力粉と配合しています。

花巻、割包、肉まん、桃まんなどの発酵生地

ふんわりした生地が特徴。
強力粉と薄力粉半々で少ししっかりめ、
もしくは、薄力粉オンリーでフワフワに
仕上げてもいいですね。

日清さんのフラワー、バイオレット
どちらも薄力粉ですが、
バイオレットを使って発酵生地を使うと
きめ細やかで本当にふわふわになります。

浮き粉

浮き粉(うきこ)は、あまり聞き慣れない
粉かもしれません。

じん粉、貫雪粉(かんせつこ)
といったりもします。

浮き粉は、小麦粉からタンパク質を
取り除いたものです。

こちらの写真をご覧ください。
みなさんご存じ、
半透明の皮の点心は、
全て浮き粉を使っています。

大根餅、粉果、にら饅頭

中華以外では、
明石焼きだし巻き卵など、
ふんわりとした仕上がりにしたい料理に
加えたり、ビスケットやスポンジケーキなど
さっくりとした食感に仕上げたい料理に
使うこともあるそうです。

白玉粉、浮き粉

ココナッツ団子、ごま団子、ハムスイコー

モチモチっとした伸びる生地は、
白玉粉と浮き粉で作っていきます。

白玉粉だけだと、生地の伸びが悪いので、
私は浮き粉をプラスしています。

ここで注意が必要なのが、
それぞれで練る温度が違うということ。
それは次でご紹介しますね。

水の温度の扱い方

さぁ、粉の次は水の扱い方です。

水餃子(小麦粉を水で練る)

水餃子は「皮が命」
といっても過言ではありません。

しっかりした存在感、
もっちりした食感。

コシを作り出すために、
「水」で練ります。

基本常温の水でOKです。

これからやってくる冬、
水も冷たいですよね。

水が冷たい場合は、
30℃以下のぬるま湯を使う
手が冷たくなりすぎず、
練り心地も冷たい水に比べると
楽に練ることができます。

先日レッスンをした、
ビャンビャン麺も水餃子と同様です。
モチっとしたコシを出すために
水もしくは30℃以下のぬるま湯で
練りましょう。

花巻、割包、肉まん、桃まん(小麦粉+ぬるま湯)

ドライイーストを使った発酵生地は、
ふんわりした生地が特徴です。

しっかり発酵させることが大切。
ドライイーストの働きをよくするために、
水ではなく、ぬるま湯を使います。

気を付けて欲しいのは、その温度です。

イーストが最も活発になる温度は、
28℃~35℃といわれています。

40℃以上になると働きが悪くなり、
60℃以上になると死滅してしまうので、
手で触ってちょっとぬるいなぁ~くらいが
ちょうどいいと覚えておいてください。

焼き餃子(小麦粉を熱湯で練る)

焼き餃子は、水餃子に比べると
皮は薄めで柔らかめ。

粉の選択もありますが、
水の温度も重要になります。

水ではなく、熱湯で練ることで、
焼くと上部はモチッとやわらかく、
底はパリッと仕上げることができます。

大根餅、潮州粉果、蝦餃子、にら饅頭(浮き粉+熱湯)

浮き粉は、熱湯で練ることによって、
糊化(こか)=「のり状」に
させることができます。

浮き粉は「蒸す」のに適した粉で、
蒸した餃子は中が見えるほど透明で美しいです。

もっちりとした食感も楽しいです。

ここで気を付けたいのは、
電気ケトルのお湯を使うのではなく、
鍋を使ってしっかり沸騰させた直後の
熱湯を使うということです。

実際にレッスンで、
電気ケトルのお湯を使った
生徒さまの生地がまとまらない
という事象がおきました。

その後、お鍋で熱した
熱湯を使って作ったところ、
しっかりまとまったとのこと。
とても勉強になりましたと
報告をいただきました。

ココナッツ団子、ごま団子、ハムスイコー(白玉粉+水、浮き粉+熱湯)

白玉粉のもちもちと
浮き粉の弾力が加わった
それぞれの粉のいいところ取り。

ここで注意するは、温度です。
白玉粉と浮き粉で水の温度が違うからです。

白玉粉は水、
浮き粉は熱湯で練ります。

白玉粉を熱湯で練ると
どういうことになるのか?

それは次で私の失敗例をご覧ください。

番外編!米粉も色々!白玉粉、もち粉、団子粉、上新粉どう違う?

米粉も色々…何がどう違って、水の温度は?

その前に私が昔したある失敗を
ご紹介したいと思います。

ある日、白玉粉でスイーツを作ろと思って、
白玉粉に熱湯を入れて練りました。

しばらくして…

白玉粉の粒も全くなじんでないし
まとまるどころか手にべたべたくっつくし、
あれっ?いつもこんなんじゃなかったよね?
おかしいな…
おかしいな…

こねてもこねてもまとまる気配はなく
結局こんな感じに。

もうお分かりの方もいらっしゃると思います。
白玉粉は「水」でこねます。

お湯で練った白玉粉は使い物にならず
もう一度水で練り直しました。

それぞれの粉の特徴をまとめてみました。

白玉粉、もち粉、団子粉、上新粉の特徴一覧

①白玉粉②もち粉③団子粉④上新粉
原料もち米もち米もち米+うるち米うるち米
製造方法洗ったもち米を水に浸して、水を加えながら石臼などでひき沈殿したものを乾燥させたもの米を洗って乾燥させた後に、細かい粉にしたもの
基本の作り方水で練って成型して茹でるお湯で練り、蒸してから成型
性質ツルンと滑らか、冷えても硬くならないキメが細かく滑らかコシが強め粘りが少なく歯切れがよく、コシと歯ごたえアリ
用途白玉など求肥、大福団子ういろう、柏餅
①白玉粉

製造方法の違いから、
「冷たくしても固くならない」のが特徴。
冷たいスイーツにはもってこいですね。
他の商品よりも値段が少し高いのは
原材料の値段や行程の多さだと理解できますね。

②もち粉

上新粉と原材料が違うだけで、
作り方は同じ。
もち米が原料なので柔らかく
のびる求肥や大福に使われます。

③団子粉

製造する会社によってもち米と
うるち米の配合比率が異なります。

同じ団子粉という名称でも
違う会社の商品だと
「今日は出来上がりがなんか違う!」
となる可能性が高いと思われるので
他の粉に比べて特に注意が必要です。

④上新粉

うるち米でできた上新粉は、
水で練ると硬くぼそぼそ
してしまうので、
一般的にはお湯でこねます。

その理由は、少し難しい話になりますが
お米のでんぷんの成分と大きく関わっています
具体的には、アミロースとアミロペクチンの
量によって食感が変わります。

・アミロースの量が多い
(アミロペクチンが少ない
粘り気が少ない

・アミロースの量が少ない
(アミロペクチンが多い
粘り気が多い

となるため、もち米よりジャポニカ米、
インディカ米になるほど
粘り気がなくなっていきます。

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「うるち米」は「もち米」よりも
粘りが少ないので、
「糊化(こか)」という「のり状」
に変化をさせることで粘りを出します。

糊化させるには一般的には、
60℃以上のお湯が必要になります。
これが上新粉をお湯で練る理由です。

点心教室 – 点心教室の先生が解説!これを知れば自由自在!仕上がりをデザインする【粉と水の扱い方】まとめ

✓小麦粉×水→コシを出す

✓小麦粉×イースト×ぬるま湯→イーストの働きをよくする

✓小麦粉×熱湯→もっちり柔らかい皮に

✓浮き粉×熱湯→もちもち透明な皮に

✓白玉粉、もち粉、団子粉→水で練る

✓上新粉→熱湯で練る

いかがだったでしょうか?
ご自身の食感の好みによって
粉の配合や水の温度を変えてみて下さいね。

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