台湾 ビーフン – 台湾の国民食「ビーフン」に迫る!日台関係、ビーフンで有名な街、日本のビーフン事情について解説!

ビーフン

本日は、台湾の国民食
「ビーフン」について
その歴史現地での食べ方など
について掘り下げてご紹介します。

台湾 ビーフン – 台湾の国民食「ビーフン」に迫る!日台関係、ビーフンで有名な街、日本のビーフン事情について解説!

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“糀の発酵調味料”と”せいろ”で
美味しいとヘルシーを両立

ギルトフリーな中華料理で食べながら
キレイにを叶えたい女性に

オンライン美・中華料理教室Éclat Shifu
主宰の三村 佳代です。

この記事は、こんな方におススメです。

✔ビーフン好きな方

✔どうして台湾でビーフンなの?と疑問を持った方

✔おうちにビーフンがある方

✔台湾の食文化に興味がある方

✔ビーフンの選び方を知りたい方

✔台湾に興味がある方

日本と台湾の関係

台湾は美味しいものが沢山あって大好き!
という方も多いのではないでしょうか?

まずは、日本との関係から
台湾について知っていただこうと思います。

日本の統治時代

清国は、1894年に日清戦争に敗れた結果、
締結された「下関条約」に従い、
台湾、澎湖諸島は日本に
割譲されることになりました。

1895年から1945年までの50年間、
日本が台湾を統治、
その間、台湾では公用語として
日本語が使われていました。

この日本統治時代に建てられた建造物が
今もなお台湾には残っており、
総統府を周辺とする一帯には
現役で使用されている建物もあります。

それは、日本と同様に地震の多い台湾において、
日本の建築物は耐震構造に優れていた
という理由もあると思われます。

今もなお残る、日本統治時代の建築物

日本統治時代の象徴的かつ代表的な建築物
といえばこちらでしょう。

中華民国総統府(旧:台湾総督府)

1919年に完成。
基本設計は、戦前に日銀本支店の建築
を手がけた長野宇平治さんで、
デザインコンペで選ばれたそうです。

第二次世界大戦の空襲によって
内部は全焼、建物も大きく破損
しましたが、中華民国政府が修復。

1949年、台湾に中華民国の
首都機能を移転以降、
中華民国の総統府として
利用されるようになりました。

現在、国定古蹟(=国の有形文化財)
としても登録されています。

他にも、

司法院「司法大厦」
台湾銀行本店(旧:台湾銀行)
台北市立第一女子高級中学(旧: 台北第一高等女学校)
といった建物があります。

台湾へ旅行をする際には、
こういった日本統治時代の
建築物を
見てみるというのも
歴史の一部を垣間見ているような
気持ちになれていいかもしれませんね。

今もなお残る、日本の言葉

50年もの間、日本語が公用語として
使われていたため、台湾の人々の
暮らしの中で根付き、今なお使われている
言葉があることをご存じでしょうか?

例えば、こちらです。

欧巴桑 おばさん
欧吉桑 おじさん 
運 将 うんちゃん(タクシー運転手)
特に最後のタクシー運転手を指す
「運ちゃん」
話し言葉がそのまま使われていて、
驚きだったのではないでしょうか?

台湾料理について

台湾に行かれた方は、
「そうそう!確かに!」
と思っていただけると思うのですが、

台湾の料理って、
味がちょうどよくないですか?

味付けが濃すぎず、優しいイメージ。

何か裏付けるものがないか調べていたら、
ジェトロさんの調査報告を見つけました。

台湾料理の特徴は、
塩分を控えた淡白な味付けで

素材の持ち味を生かす調理法が
多いことが挙げられる。

<参考>日本貿易振興機構(ジェトロ)日本食品消費動向調査台湾
https://www.jetro.go.jp/ext_images/_Reports/02/2018/6af0b9fcac9be98a/foodmarket_tw-rev2.pdf

中国の四川料理や湖南料理も
とても美味しいんですが、
辛さやシビレ、油の量が万人には
受け入れられないことも。

台湾料理は上記のような理由から
日本人の舌に合うのかなと思いました。

代表的な台湾料理

代表的な台湾料理を
いくつかご紹介します。


刈包/割包

 牛肉麺

刈包/割包

豚の角煮を蒸しパンで挟んだ
台湾式ハンバーガーです。

牛肉麺

煮こんだ牛肉とスープ、小麦の麺からなり、
味付けは地域によって異なります。
八角を入れたり、生姜や花椒が効いていたり
という感じです。


滷肉飯(魯肉飯)


担仔麺

滷肉飯(魯肉飯)

甘辛く煮込んだ豚肉を
ご飯にのせた料理で、
香辛料がふんわりと香り、
甘めの醤油味で煮込まれた
豚肉がご飯と相性抜群です。

担仔麺

小ぶりな茶碗によそわれた麺料理で、
海老からだしを取ったスープに
肉そぼろをかけて出されるのが特徴です。


炒米粉


香雞排(大鶏排)

炒米粉

ビーフンを野菜や肉と炒めた料理。
日本の焼きそばのような感じです。

香雞排(大鶏排)

台湾独自のチキンフライ。
人の顔よりも大きいのが最大の特徴。

ご存じの台湾料理はありましたか?

台湾の国民食「ビーフン」

台湾では、白ご飯と同じように
米麺もよく食べます。

台湾式の麺屋さんに行くと、
小麦粉麺米麺かを選べることが多いです。

ビーフンはお米が原料の麺です。
漢字で書くと「米粉」

中国大陸では「ミーフェン」と呼び、
台湾や福建省の方言では
「ビーフン」と発音します。

食べ方は、炒めビーフン(炒米粉)のほかに
スープビーフン(米粉湯)が代表的です。

野菜はもちろん、海に囲まれた台湾では、
イカなどの海鮮が使われることも多いです。

台湾では朝食食堂や屋台で食べることが多く、
そこで代表的なメニューというのが、
麺類ビーフン炒め具入りのお粥
揚げパン温かい豆乳等があげられます。

台湾でビーフンが浸透している理由

それは、ズバリ米の生産量だと考えます。

台湾の主要農産品の生産額および生産量

品目生産量(トン)
1,588
パイナップル527
柑橘類463
バナナ258
タケノコ240

(出所)行政院農業委員會農糧署
「105 年農業統計年報」

台湾では「民国105年」というように
元号が使われていて、辛亥革命の翌年の
1912年に中華民国が樹立されたため、
1912年が民国1年となり、
民国105年は2016年に当たります。

上記の表をご覧いただくと、
台湾は、米の生産量が堂々の第一位。

その次には、パイナップルがランクイン。
パイナップルケーキが有名なのも
うなずけるランキングですね。

このように、米が最大の生産物
となると白米としてだけでなく、
食べ方のバリエーションを増やすために
米を麺にしようと思ったのでは?
と想像することができますね。

ビーフンの街、新竹(しんちく)

ビーフンの作り方は、ざっくりというと
米を蒸す→押し出す→蒸す→乾燥
という15以上行程を経て完成させます。

美味しいビーフンをつくるためには、
乾燥させることが重要で、
昔は日干しで乾燥させていたので、
風が強い地域で盛んに作られました。

今では、衛生面から機械で
ビーフンを乾燥をさせている
ところが多いようですが、
昔ながらのビーフンは、
「三分日曬・七分風乾」
(三割を天日で、七割を風で乾かす)
という手法をとっていました。

ビーフンが最も有名な地域は、
台湾北西部にある新竹(しんちく)です。

新竹は山地と丘陵が続き、
秋冬には北東からの季節風が吹き、
ビーフンを乾かすのに条件が整っており、
別名「風城」と呼ばれています。

新竹ビーフンの起源1858年まで遡ります。
元々は福建でビーフンを生業とした
郭泉四兄弟が海を渡って台湾に来た後、
新竹の集落にやってきて、
ビーフンを作り出したことに由来します。

台湾に3年住んでいた友人から
教えてもらったのですが、
新竹には米粉博物館のようなものがあって、
ビーフン作りも体験できるそうです

老鍋米粉 (oldpotrice.com)

ビーフンなのにビーフンと言えないものもある!?

先ほども、ビーフンは米粉と書き、
原材料が米だと説明をしました。

しかしながら、米粉のほかに
コーンスターチなどのデンプンを
配合しているビーフンも存在します。

それは、デンプンを配合すると
麺自体が扱いやすく切れにくくなること、
モチっとした食感が増すこと、
米だけで製造するよりも
コストが抑えられるからです。

中には、米粉よりもデンプンの方が
多いビーフンが出回るようになりました。

こうした事態を踏まえて
台湾では2014年の7月1日以降
食品表示の新規定により

米粉100%のもののみを「米粉」
米粉50%以上のものを「調合米粉」
50%以下のものを「水粉」「炊粉」「澱粉絲」

と表示することとしたそうです。

ビーフン購入時、ここをチェック!

スーパーやネットで販売されている
台湾産のビーフンを買う時には
「原材料」をチェックしてみて下さい。

原材料は、多いものから記載します。
左にある材料ほど分量が多いと捉えて下さい。

こちらの写真を例にとってみましょう。

左のビーフンの原材料は、
米、コーンスターチ

右のビーフンは、
コーンスターチ、米/増粘剤

右のビーフンは、
コーンスターチの方が多いのに、
米粉と表記されていることに
疑問を感じますが、
この2つなら私は左のビーフンを選びます。

ご参考になさってくださいね。

おまけ 日本のビーフン事情

私たち日本人は、
中国の「ミーフェン」よりも
「ビーフン」の方が馴染みがありますね。

それは、神戸に本社を持つ
ケンミン食品株式会社さん
おかげといってもいいでしょう。
https://www.kenmin.co.jp/

創始者の高村健民氏は、
台湾出身で親戚をたどり神戸の地へ。

1945年、終戦直後
日本の米農家は戦争の影響で
すぐには米を作ることができなかったので
海外からインディカ米が輸入され
配給されるようになりました。

1950年、
日本でビーフンの製造を開始。
ビーフンを製造する会社は
他にもあったようですが
多くはなかったそうです。

というのも
米を麺にするということ自体
非常に手間ひまがかかり重労働
ということに加え

大きな参入障壁
あったからだといいます。

ビーフンはその麺の性質から
フルオートメーション化できず
現在でも人の手を使って
作業をしているそうです。

上記の理由から、
日本でビーフンを製造する会社が
多くないことがが理解できますね。

日本のお米でビーフンは作れないの?

日本だって米の生産量は多いのだから
ビーフン作れるんじゃないの?

と思った方もいるのではないでしょうか?

実は、一般的に日本のお米は、
ビーフン作りには適さないのです。

それはお米の種類が関係しています。
お米は大きく2つに分類されます。

ジャポニカ米

アミロース含量が比較的低く
中粒もしくは短粒種。

炊くと水分を多く含むため
軟らかくて粘りがでます。

インディカ米

アミロース含量が高い長粒種
世界のお米の主流はインディカ米。

炊くと粘りがなくパサパサした食感で
冷えると硬くなるので
普通に食べるお米としては
あまり適していませんが、
そのさらさらとした食感から
ピラフリゾットお粥パエリア
などの料理、
ビーフンライスペーパー
等の加工に適したお米
といえます。

ジャポニカ米で麺を作ると
粘りが強すぎて麺同士がくっついてしまい
押し出し後に捌くことができないうえ、
調理時にもべたつきやすく、煮崩れしやすい。

これが国産米で麺が
作られてこなかった理由です。

最近では、ジャポニカ米での
ビーフン作りの研究もされているようです。

ケンミン食品さんでは、
ビーフンの原料である
インディカ米に輸入規制が
かかったことを契機に、
1987年にタイに自社工場を建設
製造をスタートさせました。

そういった努力のおかげで
私たちは高品質なビーフンを
手ごろな価格で食べられている
という訳なのです。

ありがたいですね。

いかがだったでしょうか?
台湾の国民食「ビーフン」について
そして台湾と日本の関係についても
少し理解が深まったのではないでしょうか?

ビーフンを身近に感じていただき、
日頃の食事に取り入れていただければと思います。

ケンミン食品さんのホームページには、
沢山のビーフンレシピが掲載されています。
私がレシピを考案させていただいたものもあります。
ぜひ、ご覧ください♪
https://www.kenmin.co.jp/recipe.html

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