本日は、ちょっと毛色を変えて
中国のカレー事情について
お届けしようと思います。
カレーライスのカレーです。
中国人はカレーライス食べるの?
日本と近い国ですが、
その実態は少し違うとか…。
では、お楽しみください。
カレー – 中国ではカレー食べる?日本とかなり違うって本当!?中国のカレー事情に迫る
この記事は、こんな方におススメです。
カレー談議に花が咲いたClubhouse
毎週水曜12時半~開催しているClubhouse
腸幸せな発酵食と干し野菜のルームで
干し野菜のたなか みずえ先生が
干しプルーンを使った発酵ドライカレー
のレシピを教えて下さり、
カレー談議に花が咲きました。
フィンランドの発酵女王ワカリーナさんによると
パキスタンやインドカレーのお店はあるけれど、
日本のカレー店はみたことないそうです。
日本のカレールウは、
アジアンショップなら手に入るけれど、
1箱約700円という驚愕の値段。
フィンランド人のご主人と親戚が
集まった時に日本のカレーを出したら、
美味しいと評判だったそうです。
ここで面白かったのが、
主食がじゃがいものフィンランド。
ルーにじゃがいもが入っていて、
主食であるお米と一緒に食べるというのが
少し違和感があったようですが、
ソースとしてカレーはお口に合ったようです。
ハッと思い出した中国カレー事情
私からは簡単に中国のカレー事情について
私の留学時代の体験を踏まえて
お話させていただきました。
Clubhouseのアーカイブはこちらから
↓↓↓2022.10.5
Vol.46 ドライプルーンは買う派ですか?
Clubhouseが終わってから
前職で中国に出張した時に
現地のハウス食品の方とお会いし、
中国で日本のカレーを広めていくのに
とても苦労したというお話を
聞いたことを芋づる式に思い出し、
中国のカレー事情について
もっと知りたくなり
ブログにしてみました。
さぁいってみましょう。
カレーの疑問①中国にカレー料理はあるのか?
私が中国に留学していた2005~2007年
カレー粉を使った料理というのは
ほとんど食べたことがなかったのですが、
香港にはシンガポールビーフンという、
カレー粉で味付けをしたビーフン料理
があるという事は知っていました。
シンガポールにはない、
香港で考案されて流行した料理で、
香港にはなかった異国の味
「カレー味=シンガポール」
として名前がつけられた
という一説もあります。
また、中国版グーグル
百度(バイドゥ)を見てみると、
カレー粉を使った料理が
いくつか出てきました。
咖喱土豆
(じゃがいもとカレーの炒め煮)
咖喱鸡翅
(手羽先のカレー煮)
どれも家庭料理といった感じです。
カレーの疑問②中国の人はカレーライスを食べるのか?
結論からいうと、
中国の人はカレーライスを食べるようになった。
これが適切な表現だと思います。
中国の食文化にもともと
カレーライス
というものはありませんでしたが、
日本のある企業のおかげで
日本式のカレーライスが
中国人民の口に入ることになったのです。
日本のある企業が中国市場を開拓中
リンゴとはちみつとろーり溶けてる♪
というCMの曲で
おなじみのカレーといえば…
そう、バーモントカレー。
ハウス食品さんが、
約25年前からカレー事業で
中国市場の開拓をされているのを
ご存でしょうか?
ということで、
ハウス食品さんのカレー事業のお話を
ご紹介させていただきます。
市場として魅力的な中国
中国に市場としての
ポテンシャルを感じていた
ハウス食品さんは、
1997年11月に商社と組んで
日式カレーレストラン
上海カレーハウスを
パイロット店舗として
オープンしました。
価格は1皿40人民元ほど
(当時の為替レートで600円相当)で、
物価水準を考慮すると感覚的には
3千~4千円という高級なものでしたが、
それでも日本のカレーは話題となり、
休日には500~600人が来店し、
タクシーで乗り付ける人もいて、
デートスポットとしても人気があったそうです。
しかしながら、ハウス食品さんは、
飲食店を通じてではなく、
家庭の中に届ける
ことを目標に
カレーライスを中国人民食へ
というスローガンを掲げ、
中国市場にカレーを
広めることに力を入れました。
現地法人を設立、翌年あの商品を発売
7年後の2004年に現地法人の
上海ハウス食品を設立。
2005年に
「百夢多咖喱(バーモントカレー)」
を中国で発売しました。
「百夢多」は中国語で発音すると
「バイモンドゥオ」
バーモントとよく似ています。
留学中にスーパーで
バーモントカレーを見かけた時は
とてもテンションが上がりました。
しかし、そのカレールウを使った友人から
話を聞いて手にすることはありませんでした。
ルウのトロッとした感じは同じだけれど、
食べると思っていたのと違う…。
そう、実は中国のバーモントカレーは
日本のバーモントカレーとは
ちょっと?いや、かなり!?
違うものだったのです。
カレーを人民食に!思い切ってローカル化
開発段階において、
日本との食材や文化の違いを目の当たりにし、
中国の家庭に受け入れられるように
様々な改良を重ねていきました。
中国の玉ねぎは、
日本のものよりも水っぽい
紫玉ねぎが一般的。
肉も鶏肉が中心で
バーモントカレー開発で
メインにしていた
牛肉はややマイナーでした。
中国の野菜、鶏肉に合わせて味を調整。
カレーに親しみを感じてもらえるように、
中国で肉料理によく使われるスパイス
「八角(はっかく)」を入れました。
日本では色が濃いと、
よく煮込んでいるとかうま味が凝縮
しているとイメージされますが、
中国では古くなったとみられがちなので、
見た目は日本のものより
黄色っぽく仕上がるようにしました。
下の写真を見ていただくと、
黄色っぽいのがわかりますね。
また、日本と比べてスーパーの
商品棚の照明が少し暗いことから、
パッケージは明るく目立つ色に。
日本ブランドであることを
さりげなく知らせるために
小さくカタカナで
ハウス バーモントカレー
と入れたそうです。
中国人民にカレーは受け入れられたのか?
ワンプレートになじみがない
中国で食事というのは、
テーブルの上にお皿がたくさん並び、
色々なものを食べるスタイルが一般的。
ご飯と炒めものなどを
のせてワンプレートで食べる
スタイルは中国にもありますが、
それはどちらかというと
屋台や軽食店で食べる、
ちょっと安っぽいイメージが
つきまといます。
そんなことから
ワンプレートに全部のせるのは
一般家庭で食べるものではない…
との声が出たそうです。
それを払しょくするために、
当初はテレビCMも人気女優を起用して、
女優が扮するママが上海の高級住宅地にある
おしゃれなスーパーマーケットでルウを購入し、
これまたおしゃれな家の真っ白なキッチンで
カレーライスを作るという
高級感たっぷりの演出を施し、
憧れのセレブの家では日曜にカレーを食べる
あなたも日曜にカレーを食べましょう
そういったおしゃれな家庭料理の
イメージを強調したといいます。
ターゲット戦略を変更
2008年の北京オリンピック以降は、
これからのカレー消費を左右する
こどもをターゲットとした戦略に転じ、
人気があった女子トランポリン選手や、
日本のアニメとのタイアップなどを実施。
ハウスはお母さんたちの味方です…
そういったブランドイメージを
重ねていきました。
これが2012年頃の話だそうです。
2005年の発売から売上高の
伸び率は年率2桁を維持。
初期は30%になることも。
2013年3月期、
売上高は前期から32%増加し、
初めて黒字化を達成したそうです。
カレー – 中国ではカレー食べる?日本とかなり違うって本当!?中国のカレー事情に迫る まとめ
中国の人が日本式のカレーライスを
食べるようになったのは、
カレーを中国人民食に!
という目標を掲げて中国進出した
ハウス食品さんのおかげ。
日本とは違う食文化、食材の中で
カレー ルウが黄色だったり、
スパイスの八角を入れたりと
商品をローカル化。
中国に新たな食のブームを巻き起こした
といっても過言ではありませんね。
もし、中国のバーモントカレーを
食べたことある方がいらっしゃったら
感想を教えていただきたいです♪
最後までご覧いただき
ありがとうございました。
<参考>
【変革 ハウス食品グループ】カレーを人民食に 手探りの中国市場(1/4ページ) – 産経ニュース (sankei.com)
バーモントカレーが、中国で売れている秘密:新連載・水曜インタビュー劇場(1/6 ページ) – ITmedia ビジネスオンライン
第6回 日本のカレー文化を中国に広めるハウス食品の夢 | CCL. | 日経BPコンサルティング (nikkeibp.co.jp)
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