本日は、ちょっとマニアックな
中華調味料のお話。
美味しそうな色とテリを出す中国醤油
「老抽(ラオチョウ)と晒油(シャイヨウ)
は同じように使えますか?」
というご質問をいただきましたので
私の見解をご紹介したいと思います。
「老抽(ラオチョウ)」と「晒油(シャイヨウ)」 は同じように使えるか?
“糀の発酵調味料”と”せいろ”で
美味しいとヘルシーを両立
罪悪感のない中華料理で
“食べながらキレイに”を叶える
オンライン美・中華料理教室
Éclat Shifu主宰の三村佳代です。
まず、結論を。
老抽(ラオチョウ)と晒油(シャイヨウ)
と言われても何のことか
わからない方もいらっしゃると思いますが、
先に結論を申し上げたいと思います。
私自身、ご質問をいただいて
晒油(シャイヨウ)を初めて知りましたが、
その成分、用途を見て、
老抽(ラオチョウ)同様に使えるだろう
というのが私の見解です。
それでは、一体どういう話なのか?
解説していきますね。
美味しそうな色とテリを出す中国醤油
こんな中華料理を見たことありませんか?
美味しそうな色とテリがでていて、
見ているだけでよだれが出そうですね。
こういった色の黒くテリのある
中華料理を作る時は、
色付けの醤油を使っている場合があります。
本記事は、こんな方におススメです。
老抽(ラオチョウ)とは?
色付けの醤油で最も一般的なのが、
「老抽(ラオチョウ)」
と呼ばれるものです。
黒醤油やDark soy sauce
ともいわれます。
老抽の「抽」という字は、
文字通り「抽出」という意味で
発酵した醤油から原液を取り出す
ということを指します。
醸造された醤油は発酵後、
最初に抽出された醤油を
「生抽(シェンチョウ)」
といいます。
日本の濃口醤油と
同じように使えるものです。
中国のレシピを見ていると
生抽(シェンチョウ)
老抽(ラオチョウ)
は、セットくらいの頻度で
一緒に出てくる調味料です。
「老抽」は生抽を基に
さらに発酵の過程を経てから
原液を取り出すので、
「老」という字が使われています。
老抽は生抽を基礎にして
砂糖(カラメル)を加えているので、
少しの甘味と苦みがありますが、
醤油独特の塩味は少なめなので、
料理の味を損なわずに
濃厚な色がしっかりつきます。
老抽(ラオチョウ)の用途と成分
老抽王(ラオチョウワン)
という商品を見てみましょう。
用途:料理の味を損なわずに、濃い色と粘りをだし、よりインパクトの強い料理に仕上げます。
成分:大豆、食塩、砂糖、小麦粉
老抽でこんなに違う出来上がり!
2つの実験をご覧ください。
実験1 醤油の色と出来上がり比較
3種類の醤油を比較。
生抽、老抽、日本の濃口醤油で
ミンチ肉を炒めたらどうなるか?
を実験したものです。
圧倒的に老抽の色が濃いのと、
トロットした感じがわかりますね。
豚ミンチと一緒に炒めてみると
生抽と日本の濃口醤油が同じくらいの色で、
老抽がほぼ真っ黒にみえるほど。
同量を使ってもここまで色の差がでます。
実験2 香港焼きそばの見た目比較
香港焼きそばも、
老抽ありと老抽なしで
見た目が全然違いますよね!
味はほとんど変わりませんが、
色が違うだけでグッと
美味しそうに見えますよね。
目で確認いただくと、
老抽が色付け醤油と
言われるだけのことはあるな
と思っていただけたと思います。
晒油(シャイヨウ)とは?
はい、本題。
ご質問いただいた内容は、こちらです。
冒頭の結論のところでも
申し上げましたが、
お恥ずかしながら
ご質問をいただくまで、
晒油(シャイヨウ)の存在を
存じませんでした。
中国版グーグルの百度で
検索してみるも、
いまいちヒットせず…。
パソコンにかじりついて
よくよく調べてみると
オイスターソースを作った
李錦記さんのマレーシアの
ホームページに頂級晒油が
という商品が掲載されていました。
頂級(ディンジー)とは、
ランクが上だということを示します。
飲茶の点心を注文する時に、
「頂」「大」「中」「小」
という表示を見たことないですか?
これは、価格帯を表していて、
頂>大>中>小
頂が一番値段が高いです。
日本語でも頭のことを「頭頂部」
山の頂上に上ることを「登頂」
と言ったりしますよね。
それからもわかっていただける通り、
スペシャルランクという訳です。
晒油(シャイヨウ)の特徴
サイトを見てみると、
下記の記載がありました。
料理の色を深めます。
特に炒め物、和え物、
つけダレなどにピッタリです。
成分:カラメル色素、香料、水、塩、醤油(水、大豆、塩、小麦粉)
アレルゲン:大豆、小麦を含む。
あ~マレーシアらしいな
と思う部分がありました。
ヒントはこちら。
マレーシアはイスラム教徒がほとんど。
イスラム教では豚肉を食べることを
禁じられていますが、
「ハラーム」といいます。逆に、食べてもいいものを
「ハラール」といいます。ムスリムの方が安心して
食品を購入できるように
国がチェックをし、
ハラール認証というものを作りました。
食品にはハラールマークが付けられています。
私も中国留学中に出会った
マレーシア―華僑の友人がいました。
彼女は豚肉どころか、
肉自体食べませんでした。
初めて食事をした時は、
どうしてお肉食べないんだろう?
という疑問がありましたが、
だということがわかりました。
晒油(シャイヨウ)の使い方
ちょっとそれましたが、
用途としては、
料理の色を深める
という記載があります。
マレーシアのスープ料理
肉骨茶(バクテー)
には欠かせない調味料
だという記載がありました。豚肉を使った料理ということで、
なんだか矛盾しない?と思いましたが、
マレーシアに住む華僑(仏教)の料理のようです。
また、粿条(グオティアオ)
タイだとクイッティアオと言いますよね。
いわゆるライスヌードルのことです。
その他に、海南鶏飯や炒飯、
麺類にも使うと記載がありました。
https://www.hknanyangstore.com/item/Cheong-Chan-祥珍頂靚生曬油-%28740ml%29/6298544736698368
ということは老抽(ラオチョウ)と
大きな方向は色付けの醤油だ
ということで間違いなさそうです。
頂級晒油の成分:カラメル色素、香料、水、塩、醤油(水、大豆、塩、小麦粉)
含有量の多いものから書くので、
老抽王と頂級晒油を比べてみると
頂級晒油はカラメル色素が多く
醤油の要素は少なめということがわかります。商品によっては原材料の順番が
違うこともあるかと思いますが、
入っている原材料はあまり変わらない
といえるのではないか、
そして、用途も同じ「色付け」ということで、
同様に使えるだろう。
というのが私の見解です。
老抽と晒油はどこで買える?
晒油は私自身、ネットでも
見つけることができませんでした。
老抽は、中華食材専門店はもちろん、
富澤商店などでも購入できます。
私のおススメは、
意外かもしれませんが、
ヨドバシ・ドット・コムです。
電化製品のイメージが強いのですが、
意外と食品も売っています。
嬉しいのが、
日本全国無料配送だということ。
そして、こちらの老抽については、
ちょっと試してみたい!
という人にピッタリの
150mlという小さいサイズが
用意されていることです。
しかも300円以下
というのもポイントです。
↓↓↓
https://www.yodobashi.com/product/100000001005980456/
美味しそうな色とテリを出したい方は、
ぜひお試しください♪
まとめ
両方とも用途が、料理の色を深めテリをだすこと。
成分も含有量に差はあるものの、
醤油+砂糖(カラメル色素)という構成。
「晒油(シャイヨウ)」は
同じように使えると考えます。
「老抽(ラオチョウ)」は
比較的手に入りやすく、中国食材専門店や富澤商店、
ヨドバシ・ドット・コムなどで
購入することができます。
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